2004年9月アーカイブ

♪『午前11時30分』のお話

園長: すぎもと かずひさ (2004年9月 1日
 食べることは素晴らしい。食べられる健康と食べるもののある恵みに感謝する。
 九州は南阿蘇の知る人ぞ知る地鶏屋さんを訪れたときのことである。週末は1~2時間並ぶのが当然と聞かされていたので開店時間に合わせてかけつけた。山麓の看板を見つけるのも困難な場所にその店はあった。笠取の家のごときたたずまいを上がると広間に十二ほどの囲炉裏が切ってあり、その一角へ通される。定食は用意されているもの主たる品書きは『地鶏焼き』のみである。それを囲炉裏の炭火で焼いて食すのだ。真夏ということもあり、すでにTシャツは透け、汗をあきらめる以外にない。早速焼きはじめる。うなぎ屋さんの誘い煙のように香ばしい匂いがすぐさま立ち込め焼き加減をみる手が忙しい。我慢できずに口に入れるとやっぱり生焼けだ。食べやすいようにはさみで細かく切りやっとの想いで口にする。それでもかたい。かたさが美味い。いつまでも噛んでいたい美味しさだ。肉汁の旨みがほとばしる。
 食の絶頂感を味わっているそのとき、突然、テレビ取材の申し入れ。豪快に肉をほおばっている映像が欲しいという。高三の長男が指名を受け、挑戦するも、緊張から肉ではなく舌を噛み、彼は見事なNGを出した。
 食の想い出は深い。それだけ人間に与える影響力が大きいということである。先般、人間力あふれる日本人の基本は『食』にありということで、『食育基本法』の制定がなされた。いうまでもなく地域・家庭・学校・保育園・生産者あらゆる立場からの研究と実践が必要であろう。
 これからも野菜の栽培から収穫・下処理・調理・摂食など、子どもたちが『食』を実感できる体験を大切にしていきたい。あれよこれよと考える。思い巡らせるだけでよだれが出る『午前11時30分』。

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