2005年4月アーカイブ

♪「詳細に神を」のお話

園長: すぎもと かずひさ (2005年4月 1日
 新年度を迎えるにあたり、保護者のみなさんと手を携え、子どもたちの保育園での暮らしがよきものとなるよう、保育目標を整理してみた。
 第一は「情緒の安定」である。これはいつの時代も変わることがない不変の目標である。食べる、寝るといった生きるために欠かせない「基本的生活習慣」をはじめ、子どもが人生に必要な多くのことを学ぶ「あそび」も「情緒の安定」があるからこその産物だからである。乳幼児の情緒はまわりの大人に左右される。とは言うものの大人だって人間だ。当然、不安定になることもある。そんなとき保護者のみなさんとわたしたち保育者が連携し、支え合い、まずはおとな自身が少しでも心豊かに過ごして行きたいものである。
 つぎに、少子化時代ならではの目標である。「自立と社会性の獲得」である。大人の過干渉・過保護からの解放と子ども集団のダイナミズムを積極的に活用した保育展開の重要性を述べたい。できないこと、失敗することに意味があり、おとなが構わないことで子ども自らが考え、行動し、潜在能力を引き出すチャンスが生まれること、すべての子どもの個性は尊重され、受け容れられること、一人ひとりの存在があるからこその協働うれしさであり、共感の喜びであることをみなさんとともに味わいたい。
 さらに、環境教育の端緒としての「自然体験の満喫」である。他園では得ることができない「笠取での自然体験」は子ども心に鮮烈な思い出として心の奥深く残ることであろう。玩具のまったく用意されていない環境の中で遊びこむ体験は、究極の感覚あそびであり、創意工夫に満ちている。また、野菜やシイタケ栽培は食育の本道である。訪れるだけで癒される空間の存在意義はまだまだあることであろう。
 先日、「分子に1を分母に自分の齢を置いたくらい年を重ねるごとに一年の経過が早く感じられるらしい」との話を聞いた。真偽はともかく、そう言われれば確かに時の流れが年々早くなっているように感じる。これは、子どもといっしょの時間を過ごすわたしたちにとっての警鐘だ。なぜなら、気づかぬうちに子どもとの時間感覚にずれを生じさせてしまう可能性をはらんでいるということだから。「よっしゃ、齢のねじを巻き戻すぞー!」と気合充分、子どもリズムのモードを磨く。子どもの時間はゆっくりだ。丁寧なきめ細やかな関わりが必要なこともある。子どもを見守る眼、それを受けとめる心、表情やスキンシップに言葉かけ・・・。保育の詳細に神を宿らせたい。

月別 アーカイブ