2005年5月アーカイブ

カァー、カァー、カァーのお話

園長: すぎもと かずひさ (2005年5月 1日
 赤ちゃんの手が木をさわる、花をさわる、風をさわる。これからどれだけのものたちをどんなふうにさわって行くのだろう。小さな手に握り返される喜びを味わいながら人間の手指の偉大さを思う。目の前に浮かぶ風景の人工物やきれいに整えられた畑も、みんなこの手たちから創られた。その手を動かす脳にはどんな体験をしてもらおうかな。いろいろ考えては見るものの、やはり第一歩はと、自然に帰る。

園庭に土を入れる、テラスに土を運ぶ。思いが行動となり、汗が滴る。おとなの汗の未来は子どもたちの笑顔だ。突然の大きな山や新しく現れた砂の存在に、子どもたちが遊ぶ。掘る、こねる、握る、盛る、さわったように形を変えながら子どもたちは土との密接な関係を築いていく。土は歓声とともに運ばれて、いたるところで活躍する。

さぁ、畑づくりだ。今年は、なす、きゅうり、トマト、かぼちゃ、すいか、それに昨年のリベンジのとうもろこしの苗を植えた。ここで昨年のとうもろこし悲話をご紹介。

『それは、丸々実ったとうもろこしを焼いて、醤油たらした香ばしき香りに思いを馳せた矢先のことじゃった。そろそろ子どもたちに食べさせてやろうといっきゅうどん(わたしのこと)は、畑に向かった。ところがじゃ、行ってみると、あら、たいへん。畑は荒らされ、うねの横に見事に食べつくされたとうもろこしの芯が散乱しているではないカァー、カァー、カァー。大人の汗がカラスの笑顔に変わった瞬間じゃった。』

命を植える。それは、ささやかながら自然の連鎖におじゃまするということ。人間よりもきれいに食いらげられた芯を見て、子どもたちはいろいろなことを感じ、考える。収穫だけを体験するような「いいとこ取り体験」では味わえない学びがある。これって、負け惜しみカァー、カァー、カァー。

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