2008年8月アーカイブ

♪「試行錯誤のプレゼント」のおはなし

園長: すぎもと かずひさ (2008年8月 1日

ヨチヨチ歩く。まさに「自分で立って歩く」、自立への旅の始まりだ。
二足歩行という新たな活動を獲得した子どもたちは、これまでとは比べものにならない身体活動の面白さとその視野の広がりに好奇心いっぱいである。
全身から振り撒かれるその喜びが、以心伝心、わたしたちもうれしい。
どんどん大きくなってねと、子どもらの活動をどこまでも応援したくなるのは、喜びに満ちた活動の素晴らしさ、尊さをわたしたち自身も味わってきたからにほかならない。

 


半面、危なっかしく頼りなげな彼らの歩みを、ときに見守るだけでなく、あれこれ口出し、手出ししたくなることがある。
危険に対する意識や人生に必要な知恵を知るはずもない彼らに、あらかじめ大切なことを伝えておくことで、子どもたちにやがてのしかかってくるであろう現実の課題を少しでも和らげ克服しやすくするようにという配慮からだ。


 さて、最近わたしは「試行錯誤」という言葉が大のお気に入りだ。
第一に前向きである。どんなときでも前に向かって、新たな境地に向かってトライするタフな精神性が「試行錯誤」には存在する。
これは現代人にとってとても必要なことではなかろうか。第二に創造の泉である。
試してみては幾度となく失敗を繰り返すわけであるが、この経験知がただものではない「試行錯誤」の宝なのだ。
加えて、かつて上手くいかなかったと思い込んでいたことの中にヒントがあったり、ひとつひとつの過程における一挙一動がその後の活動に磨きをかけ、やがて確かな手ごたえとなったりすることも珍しくない。
第三に「試行錯誤」は心情を豊かにする。腹立ちや苛立ち、ときに絶望するほどの辛い経験をするかと思えば、涙するほどの感動も味わう。
この一喜一憂の妙味、人情の機微は味わう価値十分であろう。

 


先日のいくじーずでは、子どもの成長を応援したいはずの大人が、自分の便利さなどの理由から車に乗せる機会を増やし、無自覚なまま、知らず知らずのうちに子どもの体力低下を助長させている現実について話をさせていただいた。
可愛い子どもたちの一人ひとりがすっかり自分の人生の主役となって生きていくように「試行錯誤」の機会をプレゼントしたい。

 

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