2009年6月アーカイブ

「魂の道」のおはなし

園長: すぎもと かずひさ (2009年6月 1日

平等院から塔の島、宇治川を渡り、宇治上神社へとつづく道はお気に入りの散歩コースである。
塔の島から朝霧橋の階段を一段飛ばしで駆け上る。
正面から宇治神社の鎮守の森と大吉山の緑が生き生きと瞳に飛び込んでくる。
世界文化遺産に登録されている歴史の情景は今も昔も素晴らしい。
川面に浮かぶ桃源郷は橋の上、鳳凰さながらに羽ばたくわたしは身体いっぱいに深呼吸―。
橋を渡り終えると、景色は鎮守のぬくもりに包まれる。
川の光の余韻をエネルギーに上る宇治神社の石段や宇治上神社へとつづく石畳は、魂和らぐ神聖なる道だ。
いよいよ宇治上神社の門をくぐると、本殿に蝉が鳴く。
神主様の祝詞である。
深々と頭を垂れ、人々の無病息災を祈る。人と自然の歴史に手を合わす。


 5月の誕生会では、平均年齢65歳の方々で構成されるとある腹式呼吸サークルのみなさんに素晴らしくも楽しい演劇をご披露いただいた。
「白雪姫」「うさぎとかめ」「桃太郎」など、誰にも馴染み深い演目であるにもかかわらず、何が起こるかわからない抜群のオリジナリティーに子どもたちの眼は釘付け、わたしたち職員は舌を巻いた。
これが原点なのだ。
役に負けるのでもなく、勝手気ままに演じるのでもない。
物語の登場人物と演者の個性溢れるキャラクターとの相乗効果が醸し出す妙味は見事であった。
豊かな個性は一朝一夕で培われるものではない。
長い人生で培ってこられた人格であり人間味である。

 一人一人の人生の道が歴史の道を創り、やがて世界文化遺産にもなるのである。
子どもたちも創る。
ほんのわずかな道のりにさえ神秘を宿らせる、魂の道。

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