2010年5月アーカイブ

22年度5月 「いただきます」のお話

園長: すぎもと かずひさ (2010年5月 1日

「いただきます」とは、「私の命のためにさまざまな動植物の命をいただきます」「あなたの命を私の命にさせていただきます」の意味であり、「ごちそうさま」は走り回ってもてなしてくれた命がけの働きに「有難う」と心からの感謝の意を表していることはご承知の通りである。
 
 さて、今年度から保育園の食事でいただくお米を変えた。以前から、米本来の栄養価や咀嚼力の育成、環境教育の見地から玄米食を取り入れたかったのであるが、玄米は精米しない分、残留農薬の影響を受けやすい。したがって、安心していただくためには、信頼できる栽培・流通経路の調査が不可欠であった。この度、京都で唯一有機Jas米生産者として認証を受けておられる西山和人さんと知り合い念願がかなったというわけである。
 
 西山さんの田んぼの畦は草が生い茂り、カエル等の両生類はもちろんのこと水中生物が賑やかだということである。その農薬をほとんど使わない田んぼと農法を若くして他界されたお父さんから受け継いだ。現在は、弟さんとともに真摯に農業に取り組んでおられる。
 
 「農家の人たちは自分たちの食べるものには農薬を使わないといった類の話をたまに耳にすることがありますがそうではありません。農業を営んでいる人であれば、経費もかかる上に、無節操に使用すると健康被害もでる農薬は使いたくありません。しかし、消費者が見栄えの良いものを求めるのです。そんなニーズに応えようとして使用頻度が高まっていった。自分たちは変形や虫食いを気にしませんから、農薬を使う必要がないということですよ。」とは、彼の弁である。

 教師を志していた彼は、学生時代に保育園で4年間延長保育助手としてアルバイトをするくらい、こどもが大好きとのことである。

 一粒で全体であるがゆえに、米本来の姿を大切にしたい。人間を理解するとき、部分だけではなく全体的に理解しようとするこころと通じるところである。行動も部分から全体へつながりを持って広げていきたいものである。ごちそうさまが近くなると、食器の米粒のひとつひとつを気に懸けるこどもたちの姿である。お米の神様も笑っている。

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