2011年3月アーカイブ

幼児期に最も重要なことは、こどものその後の長い人生を支える土台づくりにある。極めて個人差の大きい一人一人のこども=すべてのこどもが希望と自由に満ちた人生を歩むためには、このことを真に理解するおとなのかかわりと見守りが何にもまして大切である。現実適応的おとな社会の価値観が可能性に満ちたこどもの世界を押しつぶしてしまうことのないように、こども時代のこころの形を丁寧に、大事に育んでいきたい。

 

浜田寿美男氏は、「今の子どもは将来と親の期待を背中に背負っている・・・個体むき出しの時代に生きている。この50年は異常な時代であり、こどもたちは大人から守られながら、その中で将来必要な力を身につけないばかりか、力を使うことをしない」と述べたうえで、

1.生活の中の学び=学びが自分たちの生活世界に組み込まれ、周囲の人々との関係の網の目をつないでいく流れ

2.学校の学び=学びが学校の流れにはめ込まれ、個人がその学力獲得を手段に制度世界に組み込まれていく流れ

の二つの視点からこどもの「学び」についての課題を提起している。

「なるほど!ゆりぐみちょうさたい!!」と題した年長児の表現あそびは、こどもたちがかれらの日常の中でさまざまなものやことへの好奇心を追求し、からだと思考と感覚を駆使して「なるほど!なるほどね!!」と幾度となく口にしながら、発見・学習しつづけてきたことの集積である。そこには、机上の「お勉強」で教わる言葉や文字、数といった内容をはるかに超える学びがあり、生き生きとしたこども一人一人の実存がある。

 

社会見学にある場所を訪れた時のこと、責任者と思しき方から、わが園の保育の本質に迫る素晴らしい言葉をこどもたちにいただいた。彼曰く「これまで、いろんな保育園、幼稚園のこどもさんが来てくれはったけど、こんなに感情表現の豊かなこどもたちは見たことない!こどもたちがみんなスウィングしてる!!」とのことであった。

 

こどもは生き生きと活動するとき、自分の能力を最大限に発揮する。どんなに小さい赤ちゃんであっても、こども自らが主体的・能動的に関わっていくところに「学び」の契機がある。「解釈力」や「読解力」は机上の学習で得られるのではなく豊かな日常生活の土台があって成立する。出来るようになるという体験は新たな世界が広がる喜びとつながっていてこそ日常生活に反映され、そのことがやがて望ましい未来を生きる力につながっていく・・・。

 

 スウィングするこどもたちは、一人残らず、幸せに生きる可能性に満ちている。スウィングするこどもたちの鼓動が躍動となって響き合う。スウィングするこどもたちが未来の社会を鳴らす。

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