2011年11月アーカイブ

『柿は日本原産の果物といわれ、16世紀頃にポルトガル人によってヨーロッパに渡り、その後アメリカ大陸に広まっていきました。今では、「KAKI」は世界中の人に愛され、学名も「ディオスピロス・カキ(Diospyros=神様の食物 Kaki)」、「KAKI」の名で世界中に通用します。』(参照:http://www.mint-j.com/fruit/01/k01.htm

 

 「日本の伝統を理解する世界水準のこどもたちへ」

 こんな願いを込めて柿の木が保育園のクリスマス・ツリーになった。その所以を保育士が年長のこどもたちに伝えたことをきっかけに、今年のツリーの調達についての相談が始まった。「柿っていったら笠取やなぁ」「そやけどそんなにたくさんないでぇ」「うーん・・・」などなどのやり取りを経て初夏に茶摘みでお世話になった宇治田原の農家の記憶にたどり着く。

 

 「そしたら今から先生が電話してみるわ」と早速保育室の受話器を取ってこどもたちの目の前で宇治田原の農家のお宅へお願いの電話をかける。日ごろのお礼と挨拶を終え、もったいぶるようにこどもたちの顔を見渡しながら車座の中央へ受話器を向けるや否や・・・。「か・き・の・き・く・だ・さ・い!」電話機も仰天のこどもの大合唱だ。保育士が交渉する間も「いっぱいくださいって頼んでな」「いいのくださいっていってな」と可愛くもあつかましいリクエストは続く。電話を終えた保育士がおもむろにこどもの方を振り返る。こどもたちは祈るような面持ちで保育士の口元に釘付けである。熱い視線に答えを告げる保育士も思わず前屈みになる。

 「わかりました!やって!!」

 「いぇーい!」「やったー!」口々に叫ぶ子どもたちのジャンピング・ハイタッチ。意中の回答に小躍りするこどもたちはジングル・ベルの鐘さながらである。

 

 こうして、クリスマス・ツリーはやってきた。これから毎日のようにこどもの夢と思いのこもった数々の飾りを身にまとってゆくことであろう。トラックの荷台でブルーシートに覆われ、こどもたちに発見されるのを待ちわびていた柿の木が感謝と祝福のシンボルになる物語のはじまりである。

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