2012年2月アーカイブ

みなさんのあたたかな声援につつまれて、「童心のつどい(3歳以上児表現あそび発表会)」は成功裏に幕を閉じた。残念ながら当日欠席されたこどもさんもおられたが、かれらにとってもなかまといっしょに歩んできた道程はかけがえのない体験であったに違いない。なぜか?今一度、その意味について保護者のみなさんと確認し、年度の結びの言葉としたい。

 

 当園では、現代のこどもや若者、ひいてはおとなの課題の改善を願い、「こども自らが主体となって人生を築きゆく人間へ」を保育の中心に据えている。その実践のひとつが、こどもたちが「童心のつどい」で繰り広げた表現あそびである。ここに保育をあずかる者として、大きな分岐点がある。こどもにとって意味のある発表をこどもとともに創る道と、一般に保護者受けが良いといわれる発表をこどもに押し付ける道のいずれを選択するか、である。

 

 例えば、昔話のもも太郎を発表テーマに選んだとしよう。台本や楽譜は書店、小道具や衣装も業者購入でき、見映えもよく、写真撮影には好都合かもしれない。物語もわかりやすい。しかし、教育的観点から見ればいくつもの問題が潜んでいることが分かる。さて、こども自らが考える「こども主体的あそび」とおとなから与えられる「おとな主体的あそび」とを比較してみよう。

 

活動

こども

主体的

おとな

主体的

こども主体的あそびの

意義

テーマ

内容

あそびプロセス

こどもの日常から生成される

おとなが選択し与える

こどもに密着した内容であり、こどもの状況に応じて柔軟に発展可能である

配役

セリフ

演出

こども自身の希望・決定による

与えられたものを表現する

自分が考えた通りに表現するので間違いがない。自信を持って表現できる

小道具

大道具

衣装

あそびの発展に応じてこども自らがつくる

あてがい扶持でありこどもの関与が少ない

見た目は良くないが、こどもにとっては大きな意味があり、自己効力感が育まれる。自分で、なかまと共に望む未来をつくる体験

なかま関係

コミュニケーション

なかまとの相談・決定プロセスにおいてやりとりが多い

おとなの指導の機会が多いこども関係を築きにくい

プロセスを共にするので、協力関係が自然に育まれる。なかまに勇気づけられたり、セリフを教え合ったり等ポジティブな関係が生まれやすい。連帯感が生まれる

 

 こどもが好きなこと、こどもが大切にしていることのなかに、こどもが自然に表現したくなるようなあそびがある。豊かな自己となかま、そして、自ら環境を創り、愛着を育むこどもたちの姿をみる度に、そのそばにあり、こどもの真実が見極められる、違いがわかるおとなでありつづけたいと思う。

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