2012年11月アーカイブ

先日のこと。洗濯を担当している職員から「雑巾や足拭きマットに土砂が付着したまま洗濯籠に入っているので洗濯機を回す前の土落としが大変なんです。籠に入れる前にしっかり砂や土を落としてもらえませんか」ともっとも至極な提案がなされた。

 

生活の困り感は新たな保育内容を生みだすチャンスの到来と笑いが込み上げてくる。

早速、職員会議で改善策について話し合った。

 

「何組の誰がそんなことしてるん?」

「土砂を落としてから洗濯籠へ入れることを規則化したらいいのでは」

「ルール作ったところで守れる?」

「そもそも何でそんな状態になるのかな?」等々の議論を経て、

①戸外から室内、室内から戸外への子どもたちの移動とともに保育士も移動すること

②それらの狭間に遊具の清掃や足拭き等の仕事があり土砂の付着した雑巾やマットが出ること

③あそびや生活場面を子どもとともに過ごす保育士が即時に土砂汚れを落とすには無理があること

④故に、とりあえずの置き場所として洗濯籠に入れられていることが判明した。

 

これらを受けて

①保育士が時間的余裕ができ、作業に移るまでの置き場所として、また、乾燥させると土砂は落としやすいという特性を生かして作業するために物干し場を設けること

②物干し場は子どもたちにも見える場所に設置し、子どもたちの好奇心や興味を喚起するようにすること

③興味を示した子どもたちが手伝えるよう子どもの扱いやすいサイズのマットや雑巾、道具等を吟味すること

④手伝いを通じて土砂の落としやすいマットの素材や土砂落としに適したブラシ等の発見・気づきにつながるよう複数の素材・道具を用意すること

⑤一連の活動が子どもたちの原体験としてふさわしい生活教育の機会として保育に取り入れられるよう指導計画に盛り込むとともに、その他の体験との組み合わせや調整、時間の使い方等の工夫を行うことが決められた。

 

ひとりの職員の困り感が職員の知恵を出し合う機会になり、生活教育という明確な意図のもとに子どもたちの保育に取りこまれ、子どもと大人が生の協働者として園生活をともに背負いながら、さらに上質な未来を目指す具体的な保育活動が生み出されて行く一例である。

 

木の枝に色とりどりのマットや雑巾が風にゆらぐ光景が浮かんでくる。子どもと大人の楽しい園生活を飾るクリスマス・ツリーにも見えてくる。便利になりすぎた現代に光放つ美しさがある。

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