2013年4月アーカイブ

多くのみなさんのおかげで「みんなのき保育園」が開園しました。その名の通りみんなの「気」が集まって敷地内にそびえる宇治市名木100選のユーカリのごとく保育・福祉の大樹となり、子どもとおとなのこころにいつまでも残る「憩いと育み」の場となるに違いありません。それは、この40年の間に、三室戸保育園、宇治福祉園さらにHana花保育園で出会い、歩みをともにし、支え合ってきた多くの方々のこころを紡いでゆくことに他ならないからです。営々と培ってきた「いのちを大切にする」という理念を日常に生かして探究することのありがたさを享受しつづける日々です。

 

 41日から開園に至るまでの三室戸保育園における代替保育の実施の際は、みんなのき保育園の保護者さんはもとより、三室戸保育園、Hana花保育園のすべての保護者さんからご理解とご協力をいただきました。一人ひとりの子どもたちと保護者のみなさんには言葉で言い尽くせない感謝があります。スピード化、効率化された厳しくも窮屈な現代において、寛大さ、おおらかさは豊かに人生を生き抜く本質的な価値観であることをあらためて学ばせていただいた期間でした。

 

 さて、この感謝にお応えすべく、今年度はさらに、子どもの心身の育ちを丁寧に見守り、豊かな体験ができるよう、また、地域の子育てステーションとなるよう、つぎの事業の充実を目指します。

 

 ひとつは、保健・看護部門の新設です。保健師さん看護師さんと協働し、子ども家庭への支援と保育中の体調不良やけがへの対応の充実を図ります。

 

 ひとつは、子ども農園の新設です。未整備であった第二園庭に水道・電気・トイレを設置し、栽培活動の充実を図ります。

 

 ひとつは、保育園に通う以前の未入園児さん対象事業の充実です。お知り合いの方で保育所保育に興味ある方、子育て仲間の欲しい方などいらっしゃいましたらご紹介ください。

 

 新たなきょうだいが生まれたことによってお兄ちゃんお姉ちゃんが大きく豊かに成長するように、三室戸保育園、Hana花保育園、みんなのき保育園も一つの園という枠を超えきょうだい園として相乗的につながり合う運営を目指します。

 

 「よ~せて!」「い~いよ!」ではじまる子どもたちのあそびのように軽やかにおおらかに・・・。

「わたし」は「わたしたち」から生まれる。

胎児の時から始まる母との出会い。

身近な人から社会へと広がる数々の出会い。

一つひとつの出会いが人生を彩ってゆく。

 

保育園は子どもにとって初めての社会生活である。

入園当初、後ろ髪をひかれる思いで見送った我が子がいつしか喜んで保育園に通うようになり、やがて、大人たちを寂しくさせるほどに大きく育ってゆく。

 

子どもは個性の塊である。

個性はその子らしさの根本であり、かけがえのない人間性そのものだ。

ままごとあそびで晩酌さながらに乾杯する子どもがいると思えば、そのそばで「飲みすぎんときや」とたしなめる子どもがいる。

親や身近な人の真似をして育つ子どもたち。

表情を真似る、仕草を真似る、口調を真似る。まさに、大人の有り様を映す鏡である。

 

そんな大人の個性をも引き連れてやってきた子どもたちが、偶然に出会い、ともに笑い、ともに泣き、ときにぶつかり合いながら、いっぱいの感動を共有し、理屈を超えてわかり合う体験をするところに保育園生活の妙味がある。

いとも自然に「わたし=個性」と「わたし=個性」を溶け合わせ、「わたしたち=仲間」をつくりゆく子どもたち。

こんなにも自然に「わたしたち」がつくられてゆく世界が大人社会にあるだろうか。

「わたし」自身の幸せも大切だけれど、「わたしたち」の幸せの方が、なお素晴らしいことを身をもって悟る原体験である。

 

さて、この幼児期特有の関係性の発達をあたたかく、おおらかに見守り、応援しつづけることが、今、大人の側に求められている。

それには、大人自身が「わたし」の我が子のみならず、我が子といっしょに豊かな「わたしたち」を形成している「一人ひとり=すべて」の子どもを「わたし」の我が子と同じように大切に思い、尊重し、慈しむことである。

 

大切な「わたし」と「わたしたち」、「わたし」を大切にすることは「わたしたち」を大切にすることであり、「わたしたち」を大切にすることは「わたし」を大切にすることである。

あたたかい関わりを喜び、共感してもらう嬉しさを味わう。

あたたかな出会いから始まるあたたかな人間関係の中で一人ひとり=すべての子どもたちのこころに「わたし」も「わたしたち」も好き、だから「人間が大好き」という灯をともす。

 

「わたし」と「わたしたち」を豊かに育む子どもたちの生活が始まる。

 

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