『道草気分で』のお話

園長: すぎもと かずひさ (2019年5月31日

『道草気分で』のお話

 

理事長 すぎもと かずひさ

 

「規則正しい生活は宝」という言葉がある。赤ちゃんの心(脳)と体を健やかに育むために食事、睡眠、活動のバランス、リズム等々を整えることが、生涯を通じて大切なことはご承知の通りである。

赤ちゃんは覚醒と睡眠を繰り返しながら徐々に体内時計を築いていく。ミルクを飲んだり飲まなかったり、その時の健康状態や体調、機嫌等にも左右される。お母さんは一挙一動を丸ごと受け止め、受容しつづける日々である。このような観点からみると、「共歩き、共育ち」の原点は、大人の側から一方的に子どもに関わる時期のように映る。大人>子どもの関係である。

「子どもは能動的な学び手」という言葉がある。どんなに小さくても自らの欲求を持ち、意思を萌芽し、両者を絡めつつ能動的に人や物と関わってゆく。自分の行動により生起する相互作用を楽しみ、対象への興味を深めながら、関わってゆく過程でさらに面白さを感じては遊びこむ。「やりたい、やってみたいという気持ち」は意欲の源である。このように子どもの側から捉えると、子どもがいかに主体的に生きる存在であるかということに気づかされる。

さあ、「規則正しい生活」と「能動的な学び手」を両立してみよう。

「起きたね~、ありがとう」。自分で起きた場合はもちろんのこと、起こした場合でも大人の関わりに協力していることを喜んでみる。着替えの場面では、「お手々あるかな~、あった~」と存在の喜びを伝えたり、「あんよさん こんにちは~、こんにちはできたね~」と偶然の行動も喜んでみよう。手足のバタバタに「フリフリ~、12」と合わせてみたり、泣きには「出したい~出ない~、アババ~」とやってみたりする。食事の時は「お口パクパク見せて~、わぁ、元気~、うれしい。元気に乾杯~」等々、とにかく、やりとりを楽しみ、バリエーションを豊かにしてゆく。つぎに、このようなやりとりを規則正しい生活リズムに無理のないよう配分しよう。

やりとりの延長線上に、献立の決定、お手伝い、遊びの計画、休日の過ごし方等々、子どもが参画できる場、一緒に考える機会を見出すことが可能になってくる。「こんなこと言うようになったんだ」、「こんなことができるようになったのね」と、子どもが大きくなるほどに美味しいひとときが現れる。

一日単位で見える道、週単位、月単位、年単位で見通してみる道。さらには長期的視座に立ち子どもと自分の人生を展望してみよう。道草気分で。

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